ブランクチェックカンパニー(Blank Check Company)とは?

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こんにちは、ぐだおです。
今日は「ブランクチェックカンパニー」について書いていきます。

ブランクチェックカンパニー」は英語だとそのまま”Blank Check Company“と言い、漢字だとその直訳で「白地小切手会社」と書かれたりします。
あまり聞き慣れない言葉なんですが、NASDAQのIPOをまとめていたら”たくさん”でてくるんですよね。流石に気になったので、少し調べた結果をここにまとめておきます。

ブランクチェックカンパニーって何?

日本語だとよくまとまっているサイトが全くヒットしなかったので、英語で検索したところ以下のサイトがヒットしました。

What Is a Blank Check Company? How They Work, Risks, and Example
A blank check company is a developmental stage company that has no specific business plan or has the intent to merge or acquire another firm.

このサイトの信憑性は良く分かりませんが、とりあえずこのページの情報を和訳・要約していきます。

ブランクチェックカンパニーの定義

ブランクチェックカンパニーというのは新興企業で(1)確立した事業計画を持たない企業(2)他の会社等を合併したり買収したりすることを計画している企業のことを指します。ブランクチェックカンパニーは投機的な性質をもち、投資家を守るためために証券取引委員会規則419に縛られています。

ここまでだと何のこっちゃよく分からないですね。

ブランクチェックカンパニーの詳細

ブランクチェックカンパニーは、SEC(Securities and Exchange Surveillance Commission:米国の証券取引等監視委員会のこと)によりペニーストックまたはマイクロキャップストック(つまり小型株)とみなされます。したがって、SECはこれらの企業に対して追加の規則と要件を課しています。
例えば、株主が正式に買収や企業合併を承認するまで、調達した資金をエスクロー口座に預金しておく必要があります。
また、ブランクチェックカンパニーは1933年証券法の規則Dの免除規則の使用が禁止されています。規則Dの504は、企業が調達する有価証券の最大100万ドルの登録を免除しますが、ブランクチェックカンパニーはこの規則504を使用することができません。

相変わらず素人には何のこっちゃよく分かりませんね。

ペニーストックは主要市場取引所外で比較的低価格で取引され、時価総額が小さいものの総称です。これらの株式は、流動性の欠如や大きいスプレッド、少額の資本、限られた支持や情報のために、一般的に高投機的かつ高リスクであると考えられています。つまりブランクチェックカンパニーはどんなに高額のIPOであっても投機的な性質から小型株として扱われるということです。

エスクロー口座はご存知の方も多いかもしれません。エスクローescrow(第三者預託)とは、商取引の決済に際に中立な第三者を通じて決済を行うことにより、安全な取引を保証する取引形態のことです。ブランクチェックカンパニーは非常に投機的なため、安全性担保や詐欺に対する信頼性確保のために、エスクロー口座にIPOで集めたお金を置いておき経営者が自由に扱えないようにしているということです。

さらに追記があります。

ブランクチェックカンパニーの一種は、”special purpose acquisition company” (SPAC)と呼ばれ、特定の期間、通常24ヶ月以内に合併または買収の資金を株式公開(IPO)により調達するために設立されたものです。合併や買収が終了するまではお金はエスクロー口座におかれ、24ヶ月後に買収が完了していない場合にはSPACは解散し、資金が返還されます。 SPACの管理者は通常、株式の20%を保有し、残りはIPOの参加者になります。

ここにきてようやく理解できましたね。
要するに、IPOによく出てくるブランクチェックカンパニーはいわゆるSPACで、買収や合併の資金調達のために設立された会社だということです。

上記の制約もここまでくれば理解しやすいですね。
つまり、ブランクチェックカンパニーは相場操縦取引等の不正の温床になりやすいということです。
例えば、ブランク・チェック・カンパニーを通じて資金を調達して自らもそこに出資した後に、有望な買収候補の噂を流すなどして株価を吊り上げさせ(いわゆる風説の流布)、株価が上がったところで自らは売り抜けるといった行為や、設立したブランク・チェック・カンパニーに自らが出資する会社を高い価格で買収させるといった事件、調達資金の私的流用などがあったようです。これらを防ぐために上記の制約が課せられているのです。

ブランクチェックカンパニー(SPAC)を設立する理由

前項まででブランクチェックカンパニーについては理解できました。
が、なぜわざわざブランクチェックカンパニーなどというものを作る必要があるのか疑問ですよね。この項ではブランクチェックカンパニーを設立する理由・メリットなどについて書いていきます。
PDFですが以下のページを参考にしました。

クリックして2008win17.pdfにアクセス

まず大事なこととして当然ですが、IPO後にSPACはターゲット企業を選定して買収を行い、買収された未公開企業は上場企業となる、ということです。

そこで第一の理由として、多くの時間やコストのかかる伝統的なIPOを避けてSPACに買収されることで、より簡易かつスピーディーに上場できることが挙げられます。これは伝統的なIPOのハードルが高まったことや、IPO市場の活況っぷりに依存しています。

他にもSPACが増加してきている原因には投資を受けやすい環境が醸成されてきていることもあるようです。
VCファンドやバイアウト・ファンドなどのプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)よりも短期間に投資回収出来る等の特徴を持ったSPACに注目する投資家が増えていることや、著名な経営者や大手投資銀行の参加により信用度が高まってきていることなどが重要な要因となっているとのことです。

要するに、投資家にとってSPACはPEファンドの代替投資商品であり、PE投資よりも短期間かつ透明性が高く、誰にでも投資できるという利点があるということです。
一方で、SPAC設立者の能力やスキルに関する評判しか投資判断材料がないことや、SPACが買収するのは通常一社であるためリスク分散がなされないなどのデメリットがあります。

おわりに

IPOに頻繁に登場するブランクチェックカンパニーは上記のように買収・合併のために設立された会社であり、基本的には継続的に何らかの事業をする会社ではないということが分かりました。本ブログの目的はテンバガーになりうるグロース株をフォローしていくことですので、ブランクチェックカンパニーはあくまで買収完了後に注目すれば良い株であるということが分かりました。というわけで今後IPOまとめページからはブランクチェックカンパニーは削除することにしたいと思います。では。。。

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