面接やプレゼンの前にはニクソンのVサイン

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こんにちは、ぐだおです。
今日はいつもとちょっと趣向を変えて「ニクソンのVサイン」について書いていきます。ここでいうニクソンとは第37代アメリカ大統領であるリチャード・ニクソン(Richard Nixon)のことです。

ニクソンのVサインって何?

ニクソンのVサインとの出会い

私が投資方針に対する判断をする際に参考にさせて頂いている方の一人として広瀬隆雄氏がいます。氏のツイートはいつも非常に勉強になるのですが、ある時、学生向けの就活特集として「ニクソンのVサイン」について触れられていたのです。その時のツイートが以下のようなものになります。

要約すると

「面接の前には自己分析なんてするな!ハーバードビジネススクールの講師だったAmy Cuddyは面接の前にはニクソンのVサインを励行しろ。と言っている。そのTED talkを3回見て勉強しろ。」

ということらしい。

一応、Youtubeへのリンクも貼っておきます。
エイミー・カディ 「ボディランゲージが人を作る」

Your body language may shape who you are | Amy Cuddy

エイミー・カディ(Amy Cuddy)氏はアメリカの社会心理学者で、2013年からハーバードビジネススクールでAssistant Professorとして交渉やリーダーシップ、権力と影響力などについて教鞭をとっていた人物です(今はアカデミックなポジションを辞しているようですが)。彼女を一躍有名にしたのが、上記の2012年のTEDトークです。

とりあえず、氏の言う通り3回視聴して、詳細なメモを取ってください。

ニクソンのVサインとは

TEDトークっていっときすごい流行りましたよね。私も英語のリスニング力の向上にと思ってよく聞いている時期があったなと、今回3年ぶりぐらいに聴いて思い出しました。とまぁどうでもいい話は置いといて本題です。

まずは、Youtubeの説明欄の文章を貼っておきます。

私たちのするボディランゲージは、自分に対する他の人の見方に影響しますが、自分自身の見方にも影響します。社会心理学者のエイミー・カディは、自信のないときでも自信に溢れる「力のポーズ」を取ることで、脳内のテストステロンやコルチゾールのレベルが変化し、成功できる見込みも変わるのだと言います。

ちなみにVサインに関するwikipediaにもニクソンのVサインに関する項目があってビビりました。

U.S. President Richard Nixon used the gesture to signal victory in the Vietnam War, an act which became one of his best-known trademarks. He also used it on his departure from public office following his resignation in 1974.

ニクソンのVサインというのは確かに彼のトレードマークだったみたいです。世代じゃないので知りませんでした。

で、このエイミー・カディ氏はパワーポージング(power posing)という概念を提唱して、姿勢が感情や行動さらにはホルモンレベルにまで影響を与えるという論文を発表しています。

Carney, Dana R.; Cuddy, Amy J. C.; Yap, Andy J. (October 2010). “Power Posing – Brief Nonverbal Displays Affect Neuroendocrine Levels and Risk Tolerance”. Psychological Science. 21 (10): 1363–1368. doi:10.1177/0956797610383437. PMID 20855902.

なんと「たった2分程度、優位性や力を示す姿勢(パワーポージング)をとることによって、テストステロン濃度が上がり、ストレスと関連するコルチゾールの濃度は下がり、面接において良い結果につながる」と主張しているのです。これはさまざまな一般メディアを通じて拡散され、TEDトークもあり彼女を一躍有名にしたのです。

で、広瀬隆雄氏はニクソンのVサイン(パワーポージング)をしてから面接に臨めといっているわけです。

パワーポージングへの批判

そのパワーポージングについてですが、実は否定的な論文がその後に発表されており、信憑性には疑問が残るというのが実際のところのようです。
詳しい経緯は英語が読める方はwikipediaのAmy Cuddyの項で読んだらいいと思います。
https://en.wikipedia.org/wiki/Amy_Cuddy#cite_note-17

Other researchers tried to replicate this experiment with a larger group of participants and a double-blind setup. The experimenters found that power posing increased subjective feelings of power, but did not affect hormones or actual risk tolerance. They published their results in Psychological Science. Though Cuddy and others are continuing to carry out research into power posing, Carney has disavowed the original results. The theory is often cited as an example of the replication crisis in psychology, in which initially seductive theories cannot be replicated in follow-up experiments.

Ranehill, E.; Dreber, A.; Johannesson, M.; Leiberg, S.; Sul, S.; Weber, R. A. (25 March 2015). “Assessing the Robustness of Power Posing: No Effect on Hormones and Risk Tolerance in a Large Sample of Men and Women”. Psychological Science. 26 (5): 653–656. doi:10.1177/0956797614553946. ISSN 0956-7976. PMID 25810452.

まぁ要約すると、パワーポージングによって確かに力の感情は生まれるが、ホルモンレベルやリスク許容度への影響はなかった、ということです。

おわりに

まぁ、自信満々に話すと「なんかこいつは凄いな」とか相手に思わせることができますし、パワーポージングによって自分の肯定的な感情を高めることが面接のパフォーマンスをあげるということ自体は十分にありえると思います。実際にそこまでは否定されていませんしね。ちなみに、このツイートを見た後にあった面接でパワーポージングしてみましたが、結果はダメでした。残念。。。あくまでパフォーマンスを上げるだけですから、他に圧倒的に強い候補者がいたらそりゃダメですわ。では。。。

その他
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